名古屋の若手税理士のつぶやき

特定支出控除とは

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サラリーマンでも経費が使える、特定支出控除で税金を取り戻す!

サラリーマンでも経費ってどういうこと?

自営業の友達とごはんに行ったとき、「領収書ください」なんてことを友達が言ってるのを聞いた経験のあるサラリーマンの方、多いと思います。

いわゆる「経費で落とす」というやつですね。自営業者の方は、売り上げに対して経費があり、それが多ければ多いほど税金が安くなりますから「経費」というものにとても敏感です。

「なんでも経費にできて、税金安くなっていいな~、自分はサラリーマンだから経費とかないし・・・、関係ないか。」と思っている方に是非読み進めていただきたい項目です。

そもそもサラリーマンの経費なんてあるの?

そもそも、サラリーマンやOLの方(給与所得者といいます)には経費がないのかと言うと、そうではありません。ちゃんと「給与所得控除額」という概算の経費を使って税金を計算しているんです。

ちゃんとした計算式があって、それぞれの人に合わせた給与所得控除額というものが決まっているんですね。

例えば年収500万円の人なら 500万×20%+54万円=154万円 となります。

個人事業の人の売り上げに相当するものが給与所得者の年収である500万円、個人事業の人の経費に相当するものがこの給与所得控除額の154万円になります。

さて、これを聞いて納得された方はどれくらいいるのでしょうか・・。

「サラリーマンだけ一律に計算して経費ってどうなの?」であったり、「会社で活躍するために自分は他の人よりお金使ってるのに!」

そんな声が聞こえてきそうですね。

実際に会社で頑張るために資格を取ったり、書籍で勉強したり、いいスーツを買ったり・・・。

そんな声を反映してこのたび改正されたのがこの特定支出控除という制度なのです。

特定支出控除って?

一言で言ってしまえば、給与所得控除額の1/2を超えた金額を経費として認めますよ、という制度のことです。

できた経緯はなるほど、給与所得者は事業を行っている人と比べて、収入はまるわかり、経費は概算経費しか認められないのは不公平だ、という声に応えて、昭和62年にこの制度が創設された次第です。

しかし、以前のもの経費として認められる範囲が狭く、外線経費全額を超えていなければならないなど、摘要のハードルが高すぎて、この制度を使う人は年間数名といった有様(笑)。

そこで、平成25年に制度の見直しが行われ、とても使いやすくなりました。

経費として認められる範囲が増え、何よりも給与所得控除額の1/2になったため、とても使いやすくなりました。

認められる経費の範囲

では実際に認められる経費がどんなものかみてみましょう。

  1. 一般的に必要な通勤費用
    会社からもらう通勤手当を超えてかかった分が対象になります。一般的には通勤手当の範囲でおさまることが多いため、派遣やパートなど、通勤手当がない場合に使えるものです。
  2. 転勤に伴う旅費と引っ越しの費用
    会社の都合で転勤した時にかかった費用です。会社が補助してくれた分を超えた場合に対象となることが多いと思います。
  3. 単身赴任者の帰宅にかかる費用
    実家に帰るときにかかった費用が対象になります。これも
    会社が補助してくれた分を超えた場合に対象となることが多いと思います。
  4. 仕事に必要な研修の費用
    仕事に関する技術や知識の習得やスキルアップするために研修やセミナーに参加した際の費用です。会社が負担してくれた分は対象になりませんが個人で負担する場合も多いでしょう。
  5. 資格を取得する費用
    仕事上のスキルを向上させるための資格取得の費用が対象となります。例えば自動車普通免許、簿記検定、英語検定などです。改正により従来は認められていなかった、弁護士・公認会計士・税理士・医師等の資格も対象となりました。
  6. 仕事に関する新聞図書費用
    仕事に関する雑誌、書籍、新聞などの費用です。
  7. 仕事に関する衣服の費用
    制服代や作業着代はもちろんのこと、スーツやネクタイ、靴といった仕事をするにあたって必要な衣服の費用は全て含まれることになりました。これは多くの人が対象となる費用だと思います。
  8. 業務に関する交際費等
    仕事に関連する人に贈る贈答品、冠婚葬祭費用、飲食代などが対象となります。

特定支出控除の計算式

次に、実際にどのように特定支出控除の額を計算するのかを見てましょう。

特定支出控除を受けるときの給与所得金額の計算式

給与収入額-給与収入に応じた給与所得控除額-特定支出の合計額のうち給与所得控除額の1/2を超える部分=給与所得金額

先ほどの例で実際に計算してみます。

給与収入が500万円、給与所得控除額が154万円、特定支出額は今回100万円だったとします。

特定支出の合計額のうち給与所得控除額の1/2を超える部分は、100万円-154万円×1/2=23万円 となります。

よって、給与所得金額は、

500万円-154万円-23万=323万円 となります。

特定支出を使わなかった場合には単純に500万円-154万円=346万円 となります。

これを所得税額で比較してみると、(計算は単純化しています)

特定支出あり  323万×10%-97,500=225,500円

特定支出なし  346万×20%-427,500=264,500円

となり、差額で39,000円分税金が安くなることとなります。

注意点

ただし、この特定支出控除を受けるにあたってはいくつかの注意点があります。

  1. 確定申告が必要
  2. 特定支出の明細書の作成が必要
  3. 勤務先から仕事に必要とされる費用である証明書や、領収書の添付が必要
  4. 図書購入費、衣服費、交際費は総額で65万円が限度

このうち特に「4」は注意が必要ですね。スーツを何着も買ったり、飲食代にたくさんお金をかけても全てが特定支出になるわけではありません。

実際に適用を考えている方は一度国税庁のホームページを確認することをお勧めします。

国税庁 給与所得者の特定支出控除

この制度を使う人は今後、どんどん増えていくと思われます。

うまく使って税金を少しでも取り戻せるとうれしいですね。

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